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(第13話)中古パソコンをどうやって持ち込むか?(その2)

第5話で問題提起しました「中古パソコン(Mac)をどうやって持ち込むか?」

 

という大命題がようやくクリアできました!!!
 
さすがは!Mr.ホー!
 
偉いぞ!よくやった!!
 
さすが!さすがだ!!パチパチパチ!!!
 
と、勝手にはしゃぎつつ自画自賛しておりますが、実はほとんど、私の廻り
の頼りになるブレーンと粘り腰でがんばった弊社スタッフのお手柄なのであ
ります。
 
現在、Vietnam Dairokuには、15台の中古Macがお行儀良く並んでいます!
 
ベトナムの法律では、
「中古機械は、新品の80%以上の性能を有する製品でないと持ち込み(輸入)
 は出来ない!」
ということになっています。
 
「中古パソコンの場合の新品の80%以上の性能って何!?」とか、
「それじゃあ、G4の場合はどうなるの?」という素朴な疑問が湧くところで
すが、せいぜい20,000円とか25,000円という捨て値プライスで中古市場から
調達した7縲怩W年落ちのMac-G4なぞでは、当然「新品の80%以上の性能」と認
められる可能性はありません。
 
そこで、第5話に登場した「物騒な言動で吠えまくり、夜のダナンを支配し
ているロジテムベトナム(物流会社)のIさん」に、基本でない裏ワザの仕
込みから実弾、及び、スナイパーの手配も含めて持ち込み対策を着々と進め
ておりました。
 
しかしながら・・・、
 
今回発送予定の新たな10台のG4が名古屋へ集結し、セントレア空港からの発
送準備が整った11月の下旬、Vietnam Dairokuのスタッフ教育係として今回
の発送業務を担当していたデザイナーの西本君から、突然、Vietnam Dairoku
の前途に暗雲が立ち込めるような嫌な情報が入ってきました。
 
「社長!日本からの持ち出しがダメかもしれません!」
 
 「何っ!どうして!?」
 
「該非判定書というものが必要になるんだそうです。」
 
 「なぬっ!何じゃそれは!」
 
ベトナムは社会主義国であるためCOCOM規制に引っかかり、ベトナム向け輸出
の機械には、「軍事転用することが出来ない」旨を証明する書類の添付が必
要になるというのです。
たかがパソコンですから全く問題はなさそうなのですが、メーカーが発行
し、軍事転用不能を保障する「該非判定書」の添付が必要!ということなの
です。
 
しかしながら、アップルコンピューターはそもそも、アメリカにおいて日本
仕様のMacを日本向けとして製造し、日本へ輸出しているわけで、日本以外の
第三国へ持ち出すための「該非判定書」をしかも、中身を不正にいじってあ
るかもしれない中古物件の「該非判定書」なぞ出せるわきゃないでしょ!
ということで・・・、
 
「それなら、アップルの代理店業務をしているところで発行してもらうこと
 はできないか!」
というテーマで、広く印刷業界に顔が利く親しい名古屋の印刷機材屋さんの
社長を通して調査・依頼をかけることに致しました。
 
しかし、依頼の結果は、
 
「諦めるんですな・・・!」という悲しい回答・・・。
 
弊社の西本君に、
 
「経済産業省や関係機関に直接問い合わせたらどうか!」
 
「まあ、直接問い合わせてたとしても、まず、埒あかんわなあ・・」
と思いつつも・・、
 
「あちこちに聞きまくって、誰かに良い知恵を授けてもらうように!」
と、私はペロリ!と無責任な指示を出しました!
 
そこから西本君は、おそるべき粘り腰を発揮してくれました!
 
何度も何度も何度も、経済産業省や物流会社と直接やり取りした挙句、
1.税関では、必ずしも、「該非判定書」を求められる訳ではないようだ。
2.しかし、「該非判定書」の提出を求められた際、添付されていないと
  密輸出の扱いとなり、厳しいペナルティーが課される場合がある。
3.例えば今後、大六印刷からは、輸出業務は出来なくなるなど・・。
 
しかし、
4.名古屋税関よりは、成田税関のほうがチェックが甘いようである。
5.そして「該非判定書」は必ずしもメーカー発行のものでなくても良い。
6.つまり、辻褄があっていれば大六印刷発行の物でも通る可能性がある。
という明るい兆しの見える情報を仕入れてくれました。
 
そこで、決断です!
 
NHKの松平アナウンサーモードで言うと、
「そして、今日の『その時』がやってまいりました!」
 
私は、
「よしっ!該非判定書はウチで作成して、成田ルートで突撃しよう!!」
 
西本君、
「や・・、やりますか!? 成田で、強行突破しますか!?」
 
「やろう!もし、やらなければハンドキャリーで10往復作戦しかなくなる!
 それでは、また、ホーチミン税関で大バトルの繰り返しだ!
 そんなこと、やっとれんだろう?
 そのうち、お縄がかかることになるかもしれん!」
 
「ここは、成田ルートでの正面突破しかないだろう!」
 
「わかりました!!」
 
ハンドキャリー10往復作戦では、Vietnam Dairokuの損益分岐点越えが大幅
に遅れることになり、テト(旧正月)前の一時金を支払うどころか、延々
と、ベトナムスタッフの給料もダイク村の家賃の支払いも支障をきたすため
何としてでも早晩、月産40000点体制に持ち込みたかったのでした。
 
私は、Vietnam Dairokuの今後に夢と勇気とサムマネーを託しているベトナム
スタッフたちの顔を思い浮かべながら「今後の輸出業務の可否」というリス
クを犯しつつ、まなじりを決して正面突破の決断をすることにしたのです。
 
その後、成田ルートで突撃した10台のMac-G4は・・・、
 
「無事!成田税関を突破しました!!」という報告を受け、
 
よっしゃあ!!第一関門は突破!!!
 
よっしゃ!よっしゃ!!と西本君と凱歌をあげているところへ・・・、
 
案の定、ベトナム税関では、
 
『なんだこれは!中古じゃないか!』
という指摘を受け、
 
更に同梱していたキーボード及びマウスの存在が、
 
『申請内容と違う!』
ということで、
 
第二関門の突破をより困難にしたものの、
ロジテムベトナム実弾スナイパーの機敏な対応により・・・、
 
「無事!中古Mac10台は、Vietnam Dairokuに到着しました!!!」
という一報が届き・・・、
 
ここに、おそらく日越の交易が始まって以来、初めてのこととなるであろう
『中古Mac10台が南越の地に上陸』するという歴史的快挙を成し遂げること
ができたのでありました!
 
しかし、
「実弾スナイパーの手配に対する請求の嵐が、
 ロジテムベトナムのIさんより、どっさりと吹き荒れてくるようです!」
 
ということでした・・・。
 
Iさんには、後日、芋焼酎「霧島」を手土産に、
日本食居酒屋「たかし」でたっぷりと飲んでもらうだわね!
 
やれやれ・・。
 
以上のような顛末で、
 
「現在、15台の中古Macがお行儀良く並んでいます!」
という状態に漕ぎ着けることが出来たという次第です。
 
(Mr.ホー)
 

 

 

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