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(第6話)会社設立手続き!
前号では、ホーチミンの税関で暴れまくった私のハチャメチャ武勇伝!?をお
伝えいたしましたところ、思いのほか好評でありまして・・、
「もっとヤレ!もっと暴れろ!もっと危ないことに挑戦しろ!」
的な、数々の無責任な御声援をいただきました。
どうも私的には、それらのありがたいご声援は、あたかも亀田三兄弟が吠えま
くる姿にヤンヤヤンヤと声援を送るファンの姿とダブってしまうのです。
(失礼!)
一応、Mr.ホーとしても既にいい歳のオヤジでありますし、あまりつまらぬ
ところで私の履歴書にケチが付いて、政治生命を断たれてしまうというのも好
ましくありませんし、今後はできるだけおとなしく、穏便に、堅実な手法でビ
ジネスを進めてまいりたいと反省しているところであります。
そこで、今回はちょっと固めにダナン市、ホアカイン工業団地で会社を設立す
るための書類と手続きについてご説明させていただきます。
説明とはいっても私の場合、ダイク村の村長さんにほとんどおんぶにだっこ状
態でしたので、村長さんからの「あーせい、こーせい」といった指示どおりに
文章を作ったり、サインをしたりしているうちに・・・、
「投資ライセンスが下りました!」
という連絡をいただいた。
即ち、会社が出来ていた!というのが実際のところです。
申請の手続きとしてはまず、4種類の申請書を作成する必要があります。
1.100%外国資本企業設立申請書
2.100%外国資本企業定款
3.ライセンス発行登録申請書
4.環境基準達成に関する登録申請書
それらをベトナム語と英語にそれぞれ翻訳し、各3部づつに代表者がサインと
捺印をしたのちにダナン市人民委員会へ提出いたします。
会社の業態によっては、4の「環境基準達成に関する登録申請書」は提出する
必要がないようです。
弊社の場合は、事務所にパソコンが並んでいるだけですから廃棄物としては、
紙、及びいわゆるゴミのみです。
従って、折角、作成した「環境基準達成に関する登録申請書」は、
「必要ありませんでした!」
とのことでした。
ベトナム語及び英語への翻訳は、ベトナム経済研究所や、DBS(ダナンビジ
ネスサービス)などの現地のビジネスサービス会社を利用した方が、日本国内
の翻訳サービスを利用するより割安になるのでお勧めです。
ちなみに、翻訳料としては、ベトナム経済研究所は4点セットで約40万円弱
とのこと。
弊社が利用したDBS(ダナンビジネスサービス)では、
1.ライセンス申請書翻訳・作成
2.事業計画書翻訳・作成
3.会社定款翻訳
4.取締役会(出資者)名簿作成
5.登記簿謄本翻訳・公証
6.財政報告書翻訳・公証
7.その他
以上で2,000US$弱(約24万弱)で済みました。
DBSの担当者は、自称バングラデシュ人!というにふさわしい浅黒くエスニ
ックな顔立ちの石川さんという好青年です。
石川さんには、社員募集でもお世話になり、それも含めての24万というのは
極めて破格です!
実は、この24万という数字にはそれなりの事情がありまして、ダイク村の村
長さんから相当強力なプレッシャーがかかっていたことも事実です。
村長さんは、石川さんを呼びつけると、
「どうもどうも・・、わざわざすいません、御苦労様!」
と、言いつつ、シュパッとマールボロライトに火をつけると!
目を細めてニコッとしつつ・・・・、
「石川さん!!安くしといてね!」
「石川さん!いままでに、随分ダイクで商売できたよね・・。」
「これからも長いつきあいになるよね・・・・・・・。」
「まさか!今回の募集は金をとるなんてことはしないよね!」
「石川さん!!今回のは・・・・、タダでいいね!?」
というノリで、矢継ぎ早にタンタンタン!と無法な要求をし・・、
可哀相なことに石川さんは、はるばるダイク村まで打ち合わせをしに来るたび
に、どんどん、どんどん、どんどん、どんどん、タダ働きエリアが拡大してい
くのでありました。
ダナンの日本人社会という狭い人間関係の中でビジネスをしていくためには、
「良いお客を選ぶ!」
というごくごく基本的な方針すら諦めなければならないのかもしれません。
そこで、ダナンでの常識の範囲内での交渉は必要になるのでしょう。
次に、4つの書類と共に出資する大六印刷がどのような会社であるかを証明す
る書類が必要となります。
1.大六印刷直近2年分の決算報告書2部
○表紙に会社名・代表者名を捺印
○中ページすべてに割り印
2.その決算書を公証役場で認証を受ける。
※公証役場の認証といっても決算書の中身まで認証できるわけではありませ
んけれども・・。
3.登記簿謄本2部
○岐阜地方法務局長の認証印をもらい
○更に外務省認証課の認証を受けたもの
4.代理人が申請にいく場合は、更に、
○商業登記簿謄本
○法人代表印鑑証明
○委任状
○官公庁発行の代理人の写真付き身分証明書
が、必要となります。
それで、認証を受けた決算報告書とベトナム語に翻訳した決算報告書、及び
認証を受けた登記簿謄本を更にベトナム大使館で認証を受けた後にダナン市
人民委員会に提出いたします。
それら全ての手続きは、早ければ20日程度で済みます。
弊社の場合、あちこちに書類の不備があったため、ダイク村村長の手を煩わせ
つつEMSで二往復ほど書類をやりとりしましたが、無事8月に投資ライセンス
をいただくことができました。
「村長さん!アリガトウゴザイマシタ!」
「さあ!会社が出来たぞ!」
とはいっても、
Vietnam Dairoku Ltd.という会社には、税関との丁々発止を経て無理矢理持ち
込んだ5台のMacが寂しそうに並んでいるだけの状態です。
まだ、事務所があるだけでモニターもなければ机も椅子もなにもありません。
これから銀行口座もつくらなければいけないし、アカウンター(専門の免許を
持った会計責任者)の手配も必要です。
更に、モニターの手配や通信回線の工事、それに伴う、ルーターの設定やハブ
やケーブルの手配もこれからです。
大量のデータをやりとりするため通信回線のテストも必要です。
そして、そして、せっせと切り抜き作業をしてくれるワーカーさんの募集もこ
れからです。
それらの手配をひとつひとつ指示を出すと、ベトナム大六担当教育係のデザイ
ナー西本隊長を筆頭に、ベトナム人スタッフ3名の買い物部隊は、嬉々として
ダナンの町へ繰り出していくのでありました・・・。
さてさて・・。
次回は、どこいらのお話をいたしましょうか・・・?
(Mr.ホー)