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(第4話)ビザ申請!

ベトナムの地で新たに始めるビジネスは、
 
「気持ちの良い」人たちと、「爽やかに」汗をかいて、「みんなで一緒に」
喜べる結果を、ビシッと出したい!
 
という思いがありました。
 
そのパートナーとして選んだのが
「僕、素直だし、とっても性格がイインデス。」のトゥン君
「私、日本語まだまだ怪しいんです」のユンさん
「私、3人の中では日本語そこそこなんです」のカーンさんの3名。
 
彼らは、
「わたし、生まれてから一度も飛行機に乗ったことがないの・・。」
「飛行機どころかダナンから出たことないの・・。」
というようなとても素朴なベトナム人です。
 
 
ダイク村の村長さんは秘書役のベトナム人ガップさんに対し、
「ここに穴を掘って、次はその穴を埋めろ!!」
みたいな鬼のようなノリでビシビシとこき使っていますが、
 
佛のMr.ホーとしては、
 
「私は、村長さんのような鬼にはなれんだろうな・・。」
「かといって、ヨシヨシと孫をかわいがる爺ちゃんでは仕事にならんし・・。」
「さしずめ、弟子を厳しく指導するお釈迦様か・・?」
「いや、お釈迦様の厳しいお叱りにショック死した弟子もいたそうだから。」
 
「面白くて厳しいニッポンのやんちゃオヤジ!」
 
これで行こう!
などと、どうでも良いことをぐるぐるとイメージしておりました。
 
 
さて、お次は彼らを日本に連れてくるための手続きが必要です。
 
彼らには、
「早速!パスポートを申請しなさい!」
と言っておきましたが、私自身がその段階では、
「ベトナム人を、研修生としてベトナムから日本へ連れてくるために何をしな
 ければならないのか、どのような手続きが必要なのか・・。」
ということをよく解っていませんでした。
 
以前、中国の提携先の社員を3ヶ月間預かったことがありましたが、その際は
「業務提携先の社員を市場調査のために招聘する」
という名目でしたので今回の単純な研修目的とは若干目的が異なります。
 
 
そこで、在ホーチミン日本国総領事館へ問い合わせをしますと、
ベトナム人が電話に出て、もにゃもにゃと・・、
「担当者は席を外しているので電話に出られない。」
というようなことを言いました。
 
20分後改めて電話をかけ直すと、先ほどとは違う人間が、
「担当者は、電話中なのでしばらくお待ち下さい。」
と言ったまま、本当縲怩ノしばらく待たせていただきました。
 
「今、日本から電話をしているのですが・・」
という私の前置きは全く気にしていただけなかったようで、ビジネスフォンに
表示される通話料金欄の数字がどんどん大きな数字に・・・。
 
ようやく電話口に出た担当者様の御指示は、
 
1.パスポート
2.ビザ申請書
3.写真(縦4.5 cm x 横4.5 cmで6ヶ月以内に撮影のもの)
4.労働契約書
5.日本での用務を明らかにする資料
 ・申請人所属会社の出張命令書、派遣状(滞在予定、訪問先、日本での用務
  を詳しく記載したもの。出張旅費・研修費用を支弁する旨記載のこと)
 ・招聘理由書(招聘目的、期間を記載のこと)
 ・研修計画日程表
6.申請人所属会社の経営許可書
7.日本側受入先の下記資料のうちいずれか
 ・法人登記簿謄本
 ・決算報告書
 ・パンフレット
 ・会社四季報(写)(一次部上場企業)
8.会社間の過去の取引契約書
9.日本側受入先からの身元保証書
※法人が身元保証人になる場合には作成名義人が法人代表者もしくは役員の
 資格を有していることが必要。 
※派遣元である申請人所属会社が費用の全額を負担する場合、また、申請人
 本人が渡航費用の全額を負担できることを証明できる場合には身元保証書
 は不要。
 
以上が必要という主旨を、能面のような口調で教えていただきました。
 
まず、その必要書類の多さに、思わずゲップが出そうになりましたが、更に、
「申請時にはハノイの大使館へ直接申請書を提出すること!
 更に、交付時は直接ハノイ大使館へ出向くこと!」
というおまけをいただくにつけ、ゲップがゲロになってしまいそうでした。
 
それで、トゥン君に急遽、代表でゲロまみれになってもらい、
「灼熱の!?ダナン縲怎nノイ、ビザ申請二往復の旅!!」
に行ってもらうことになりました。
 
素朴な疑問。
 
「何故、郵送ではいけないんでしょうねえ?」
 
ハノイ大使館に問い合わせると、
「申請書の内容について直接質問したい場合があるからだ!」
という回答でしたが,
 
「質問の回答を電話で、というのでは駄目なんでしょうかねえ?」
 
本人確認をして受け答えすれば質問の回答はできそうなもんですけどねえ。
 
「・・・・・???」
 
 
更に問題なのは、申請人である3名が契約した、所謂申請人の所属会社である
ベトナム大六という会社はまだ正式にダナン政府には認可されていないため、
3名の労働契約書は無効となってしまうことです。
 
そのため、3名は日本国の大六印刷の正社員として雇用契約を結び、大六印刷
からの出張命令で日本にやってくるということにするという必要がでてまいり
ました。
 
そこで大六印刷として問題になるのは、彼ら3名が日本国の大六印刷の正社員
ということになると、彼らが帰国して正式にベトナム大六の社員の身分に戻る
まで、日本国での最低賃金に縛られる、即ち、ベトナムで契約した賃金水準で
はなく大六印刷の賃金水準×3が必要になるということです。
 
その点を経理に指摘された私は、思わずトゥン君と一緒にゲロの海に飛び込み
そうになってしまいましたが、そこは冷静に理屈を考え、
「大六印刷は、3名の滞在費用+手取り給を本人達に支給している。従って、
 本人達への支給額が日本国の最低賃金以上であれば問題ないであろう。」
ということにすることにしました。
 
 
手続きは終わり・・。
 
現在3名は・・・、すこぶる元気です!!
「今年の夏はおかしいぞ!猛暑の日本、スタディ&バカンス長期ステイ!!」
を満喫中です。
 
 
しかし、10月になって収穫の秋を迎える頃・・、
佛のMr.ホーもわめきちらしているかもしれません!
 
 
「ここに穴掘って、次はその穴埋めろ!!!」
 
(Mr.ホー)

 

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