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(第49話) 海外出張の多い印刷会社

弊社のディレクター井端くんは今、東南アジアひとり旅の最中です。

Tシャツにジーンズ姿でデイバックをひょいと背負って、およそビジネスマン
らしくない出で立ちで旅立った彼・・・。

先週19日に名古屋からバンコク入りして、香港国際空港のように広~く、
南国特有の明るさと透明感のあるスワンナプーム国際空港でうろうろと4時間
近く時間をもてあました後、夕刻発のタイ航空便でプノンペン入り、

初めての地で少々不安げな様子の彼は、ポチェントン国際空港に降り立つと、
階段を下りたところに売っているビサ売り場?で20USDでトラベラーズ用ビザ
を調達し、事前に顔写真をメール交換しておいたカンボジアの怪人と合流し、

「ようこそ・・、 カンボジアへ・・!」

「遠いところをどうもどうも・・、ようこそ・・お越しいただきました。」

「日本を朝早く出られたんでしょう。 おなかは大丈夫ですか?」

との怪人の問いに・・、

 「バンコクの空港で充分時間があったので食事は済ませました。」

と答えると・・、

 「今回は、あまり時間がありませんので、今日中に例の件を出来るだけ
進めておきましょう。」

と、そのままタクシーで怪人のアジトへ直行。

夕食もそこそこにして、市内の中心部から少し離れた住宅街にあるアジトへと
乗り付けた彼らは、部屋の片隅に置いてあるPCを3台立ち上げると早速、慣れ
た手つきでチャカチャカとパスワードを打ち込み仕事に没入していきました。

Winオタクの怪人とMacオタクの井端君とのビジネスユニットで新規案件に取り
組む姿は、ちょうど中国人とベトナム人が来日してから覚えたたどたどしい日
本語を通してコミュニケーションを取り合っているような光景だったのかもし
れません。

一夜明けた20日の午前11時過ぎ・・・、

予定の任務を全て完了した井端君は、ホーチミン経由でダナンへ向かうべく、
空港まで見送りに来てくれた怪人に笑顔で別れを告げると、25USDの空港使用
料をなけなしのUSDで支払い・・、13:55発ホーチミン行きベトナム航空816便
に乗り込むのでした。

プノンペン~ホーチミン便は、飛び立つとすぐに着陸体制に入ってしまう50分
間の遊覧飛行のようなフライトです。

彼は、窓ごしに映し出されるメコンデルタの煌めきや色とりどりに明るく美し
い民家の屋根にときおり、はっ・・!とさせられながらも、およそ一年半振り
に戻ってきたダナンの地で彼を待ち受ける更に重要な任務を全うするために
ありとあらゆるイレギュラーなケースの対応をイメージしておくのでした。

「タンソ・ニャット空港についたら、早速ペンディングになっていた件を、
プログラマーの大杉さんに確認しておかなきゃな・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・と、実際の彼の出張は、こんな風に展開していったのかどうかは定かで
はありませんが、明日の朝 8:00には予定の任務を終えて、無事バンコク
から名古屋へ戻ってくる筈です。

弊社では、ここ7~8年で海外出張を体験した社員が増えました。

今回登場したディレクターの井端君は、広州、プノンペン、ダナンへ。

しばしば登場する西本君が、広州、香港、ホーチミン、ダナン。

最近登場する経理の田崎さんは、ホーチミン、プノンペン、ダナン、ハノイ。

そのほか・・、

ダナン専門、顧客担当の田中君。

上海、杭州に魅せられたデザインの今井君。

東京営業所の中島所長は、南京~広州へ。

そして、広州~香港へ通い詰めてそののち退社してしまった黒木君、王君。

更に、かつてのメルマガライター山崎君は、広州、香港、ホーチミンへ。

中国専門の夏君は、南京、上海、広州へ。

また、アメリカに縁があった藤本専務がテロのタイミングにシカゴへ・・。

映像がらみの変わり種では・・・、

アメリカ、台湾、インドネシア、ベトナム、タイ、ネパール、中国などを
制覇したムーブ48の鮎飛プロデューサー。

かつてカメラマン時代に、大きく重いビデオカメラを肩に担いで東南アジア
諸国を荒らし回った直井ディレクター。

そして8月に、中井さんとは初めて中国辺境ビジネス探検隊に同行してもらう
予定です。

 

「うちの社員は海外出張が多いんですよ~。」などと言いますと、

しばしば、

「いいな~。いいな~。」などと言われます。

しかし、今回の井端君のように・・、

「初めてであろうが何であろうが・・・
言葉が出来ようが出来まいが・・・、
とにかくどこへでも1人で行ってしっかり仕事をやってきて!」

というのが大六グループの美しい社風ですので・・、
決して!思うほど楽でも楽しくもないのです。

ビジネスですから・・、当然!

異国の地で困った時、帰ってから相談!という先延ばし策が通用しない場合、
自分の責任においてジャッジをし、その状況下で対処しうる最良な対策を講じ
ておかねばならないというプレッシャーとか・・、

パクチやヌックマムが駄目であるのにベトナム通いをするハメにとか・・、

中国へ行かねばならなくなった中国人苦手おじさんとか・・、

私のようにどこでも何でもOKよ人種ではない社員にとっての海外出張は・・、

前正覚山に籠もったお釈迦様の難行苦行か、はたまた!菩提樹下に結跏趺坐し
て悟りを得るまでに次々と襲い来たる魔物達と戦うようなものでしかないよう
なのです。

その証拠に、弊社の社員は皆、旅行はともかく海外出張へはあまり行きたがら
なくなってしまいました。

社員の間では・・、

「この間の出張では、ひどい目にあった・・!」とか、

「ホーチミンの空港で、とんでもない経験をした!」とか、

「食事があわなくて・・、もう、二度と行きたくないよ~・・・!」

などという会話が交わされているのかもしれません。

でもみんな!

私たちは、「空飛ぶ印刷お助けおじさんズ!」を

自称しているわけですから・・、

これからもまた!何度でもひどい目に遭いに行ってくれよな・・。

(Mr.ホー)

ベトナム法人設立リポート おわり

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