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(第38話) テト(旧正月)気分
今年の旧暦では1月26日が元旦でした。
カレンダーでは、24日(土)、25日(日)となるので、23日が仕事納めという
会社が多く、Vietnam Dairokuでも23日を仕事納めにしました。
ダイク村でも、TKRさんは先週から休みに入っているとのことですし、
A-Zetさんももぬけの殻・・、AI-ECOさんも午前中に掃除を済ませてお終い。
そして、大人数でいつも賑やかに忙しくしているLesGantsさんも23日は掃除
だけという感じで、午後になるとすっかり静まりかえっています。
ダイク村の村長は、「20日に日本に帰ります!」とのことでダイク事務所も
村長秘書役のガップさんが一人で伝票を整理しているだけで静かです。
結局、ダイク村でフツーに操業しているのは弊社だけ!という環境の中、
弊社社員たちも「早く5時になれ!あとは夜勤におまかせよ!」と、早縲怩ュ
来い来いお正月モードのうわついた雰囲気でモニターに向かっています。
4時を廻るころになると、社員達は、「今日は早引きさせてください。」などと、
仕事よりも自分の時間や家族の都合を優先させるという彼らの本性を丸出し
にして、一人帰り・・、二人帰り・・、していきます。
その頃・・、私には一つの些細な不安がありました・・。
21日に行った日本食レストラン「花鳥風月」の壁には年内営業は22日まで!
という張り紙が貼り付けてあり、さらに、「四季」も「たかし」も「北国」
も「北国�」も「海味」も年末の休業に入っているらしいため、23日現在、
ダナン中の日本食レストランはどこも営業していない状況下で5時が近づき、
社員の姿が少なくなっていく中、「今夜はどうしようか?」という我々の今夜
の食事場所についての些細な不安が頭をもたげてくるのでした。
街では小さいレストランは22日で営業終了!となってしまう店が多いため、
大晦日(25日)に帰国予定の私と西本君にとっては、朝食と昼食くらいはごま
かせるが、今夜と明日の夕食をどこでありつくかが大きなテーマとなっている
のでした。
ローカルのベト飯屋であれば間違いなく営業してはいるのですが、我々二人が
通訳なしで騒々しいローカル飯屋に入り込み、プラスチック製の安っぽいイス
に腰掛けて、まず絶対に!英語表記していないメニューであれこれとオーダー
をし、めでたくオーダーが通ったとしても、「おいしいね!」「おいしかった
ね!」という満足げに感想を述べつつホロ酔い気分でホテルの部屋に戻って
これるという確率は、相当低いものに成らざるを得ません。
へたをすれば・・、「なんじゃこりゃ!味」のカウンターパンチを受けた後、
更に、「なんじゃこりゃ!量」のボディーブローで胃を痛めつけられ、しまい
に西本君の天敵であるヌックマム(魚醤)集中砲火を浴びせられ、ほうほうの
体で部屋に辿り着いて気持ちの悪いゲップに一晩中苦しめられることにもなり
かねません。
そのため・・、仕事納めの後は、口に合う肉料理さえ目の前に並んでいれば
幸せ感一杯になれる西本君に「充実した出張でした!」感を味わってもらう
ためにも是が非でもメニューの内容が理解できる店を探し出すことが私にとっ
ての最大の関心事となっていたのです。
ダイク村の車を借りてホテルへ戻る途中・・・、
そんなことを考えながら街道沿いに流れる風景を眺めていると・・・、
街道のあちらこちらで鉢植えのミカンの木や黄色い菊の花を売っています。
なんでも、そのミカンの木は門松の代わりの様に家の前に立てて置くのだそう
です。
それらのミカンはすべて小振りで決しておいしそうなものではありませんが、
所狭しと並べられているミカンの木やずらりと並んだ黄色い菊の花、そして、
中央分離帯に点々と並んでいる赤いベトナム国旗は、街中にお正月気分を盛り
上げているようです。
更に、主要道路の上には電飾のチカチカでとてもきれいにアーチを作られて
います。
19日にダナン入りしてから、空港でもホテルでもレストランでもテレビでも、
更には、会う人会う人が、これまた嬉しそうにA Happy New Year!ネタの話題
に終始しており、「ベトナム人にとってのテト(旧正月)は特別なんだな!」
ということを感じさせてくれます。
所によっては、何故か、まだ Merry X’mas!という看板がそのままになって
いる店もあるのがベトナムらしい愛嬌ですが・・、
そのとき、私にひとつのひらめきがありました!
「そういえば・・、ホテルの裏あたりにおいしいピザ屋があったな・・。」
「日本食屋は休みでも・・、
もしかしたら・・、あのピザ屋は営業しているかもしれない!」
同乗していたガップさんに・・、
「ガップさんさぁ縲怐B あの角曲がったところにピザ屋があるよね・・。」
「あそこ、やってるかなぁ縲怐H」
ガップさんは、早速、店に電話をすると・・。
「やってます!やってます!」
「そぉ縲怩ゥぁ縲怐I よし!今夜はイタ飯だ!」
「西本君!よかったな縲怐I まともなものにありつけるぜ!」」
私と西本君は、その瞬間気持ちの悪いゲップに一晩中苦しまされる恐怖から
解放され、ホテルに荷物を放り込むやいなや、A Happy New Year!気分が目
一杯漂ううわついた雰囲気の街へ勇んで繰り出していったのでした。
(Mr.ホー)