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(第35話)円高のメリット
私がダナンへ通い始めた頃の両替レートは・・、
見た目は怪しいけれどレートは良い、街場の宝石店(両替商)で両替をすると
およそ1JPYで145VNDでしたから、福沢諭吉の一万円札は、すべて髭を生やし
たホーおじさん(ホー・チ・ミン)の顔の緑色100,000VND札14枚と、はした
金でしかない10,000VND札数枚に変身したものでした。
ベトナムドン(VND)の為替レートは、米ドル(USD)とほぼ連動しているため
円ドルレートの動きによってJPY→VNDのレートが変動いたします。
幸いなことに、ダナンへ通い始めてからは、じわじわと円高基調でレートが
推移してきたため、最悪の時で、1JPY→135VNDということがあったものの、
通常は、1JPY→145VNDから160VNDといったレートで両替をすることができて
いました。
前の晩遅くダナン入りした西本君と私は、いつものように出勤前にサッと両替
を済ませておこうと、トウさんの運転する車を宝石店の前に横付けをしてもら
い両替するとビックリ!
何と!西本君の1万円札は、1,730,000VNDとなって戻ってきました。
私は残念ながら、ベトナムドン(VND)と同じく米ドル(USD)とのペッグ制を
とっている香港ドル(HKD)からの両替でしたので、全く円高メリットを享受
することは出来ませんでした。
1JPY→173VNDというのは、今までで最高の両替率です!
最悪の、1JPY→135VNDの時と比べると28%も有利になったことになります。
例えば、私はいつも3万円程度を両替しますので、
1JPY→135VNDなら、4,050,000VND!
1JPY→173VNDだと、5,190,000VND!で、
その差額は1,140,000VNDにもなります。
1,140,000VND!といってもピンと来にくいと思いますが・・、
例えば、Vietnam Dairokuの頑張りの少ない社員一人分の給料に相当します。
或いは、マッサージ2時間コース、8回分に相当します。
もっと言えば、ダイク村の昼食175食分(約8ヶ月分)に相当します。
現在、アメリカ発金融危機の影響で、世界同時不況或いは世界恐慌か!?と
いわれる中、トヨタを始めとする輸出関連企業の中間決算は惨憺たる状況と
なっています。
しかし、急激な円高は困るものの競争力のある輸出関連企業にとっての円高は
必ずしもマイナスばかりではありません。
日本の輸出関連企業は広東省の労働集約型企業やベトナム企業のように原材料
及び部材を海外から仕入れて加工賃のみを付加して輸出しているのではなく
原材料、部材に技術やノウハウ料をしっかりと付加して輸出するわけですから
原材料、部材の調達コストがド縲怎唐ニ下がるというメリットが出てきます。
販売価格が上がれば、海外への販売数量そのものは減少するのはやむを得ませ
んが粗利率は上がります。
従って、海外販売の減少分を国内販売でカバーすることが出来れば、しっかり
円高メリットを享受できることになります。
今回の円高はあまりにも急激でしたから、来年3月の決算では、各社ボロボロ
になるかもしれませんが、来年9月の中間決算あたりからは、上方修正する企
業も出てくるのではないかと思っています。
或いは、ひょっとすると、早ければ来年3月決算でも、輸出関連企業の中には
意外な好決算をするところが出てくるかもしれません。
各社決算が出揃う5月以降には、株価が上昇トレンドに入る個別銘柄も出てく
るのではないでしょうか。
また、前回お伝えした大六印刷のVietnam Dairokuに対して15,655USDの債務も
1USD→120JPYで換算すると、1,878,600JPYとなりますが、先週のレート
1USD→89JPYで換算するならば、1,393,295JPYとなり・・・、
労せずして、48万円も借金が減ってしまった!ということになります。
(ちなみに・・・、1USD→94JPYの時にどっと返済してしまいました。)
急激な円高・・。
海外へお金を支払う分にはとてもありがたい!ということになりますが・・、
今年はとにかく、不動産全くダメ、株ダメ、商品ダメ、債権ダメ・・、
アメリカダメ、ヨーロッパダメ、中国ダメ、インドダメ、ロシアダメ、ラテン
アメリカダメ・・・、で、年率10%以上の利回りを・・!と期待していた
香港のファンドはもうボロボロです。
日本経済や日本の明るい未来買いでの円高でなく、円キャリの巻き戻しや消去
法での円買い資金による円高であるとすれば、やがて始まるであろう急激な円
安リバウンドがとても心配です。
その前に・・・、
リクエストもぽちぽちいただいていますので、
3月か4月あたり・・、
「円高メリット充分堪能するぞ!季節もいいし仕切直しのベトナムツアー!」
でも企画いたしましょうか。
(Mr.ホー)