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(第18話) 新人歓迎会
15台のMacをフル稼働するために、昼夜二交代で24名のワーカーと3名の
リーダーで27名体制に!というのが私の当初の構想でした。
リーダーで27名体制に!というのが私の当初の構想でした。
しかしながら、リタイア組の社員がいたり新人が入ったりして人員の入れ替
わりがあるため、Vietnam Dairokuの現況は、リーダー3名、サブリーダー4名
に、アカウンター2名、一般ワーカー14名の合計23名となっています。
その中の半数近くが私の知らない社員であるため、私がいるうちに!
ということで久しぶりに新人歓迎パーティーをすることにしました。
会場は、ダナン市内を流れるハン河畔に浮かぶ船上で南国のあたたかな川風を
浴びながらベトナム料理をいただける<HANA KIMDEN>というしゃれたレスト
ランです。
<HANA KIMDEN>は、以前にもご紹介したダナン在住20年になるダナン日本
人会事務局長の井上さんが経営しておられる船上レストランで、ベトナム人
にも日本人にもウケる調理法でメニューを工夫されています。
「村長さん!今日はDairokuでごちそうしますから、
ガップと二人で来て下さい!」
と、いつもいつもお世話になっているダイク村村長と村長の秘書兼怒鳴られ役
のガップさんをゲストとしてお招きしました。
私とダイク村長、そしてガップさんが社員達より一足先にHANA KIMDENに到着
すると、すでに、日本人と思しき男性数名にきれいな女性(香港系か?)の
グループがワイワイ盛り上がっています・・。
ダイク村長は、顔見知りがいたようで、
「いや縲怐Iどうもどうも!」
と挨拶をしながら・・、
「あの団体は、D社さんと金型を作っている会社のグループですよ。」
「しかし、きれいな人を連れてますね縲怐I」
「ベトナム人じゃないですよね。」
「あの顔立ちはベトナム人じゃないですね縲怐B」
「あの目つきは、台湾系もしくは香港系美人じゃないですか縲怐B」
「左側のね縲怩ソゃんはベトナム人かもしれませんね縲怐B」
「みんな、日本語しゃべってるようですね縲怐B」
「通訳ですかね縲怐B」
「D社の社長も隅におけませんね縲怐B」
などと、私たちは早々に注文したビールを注ぎ合いつつ、その日はいつもより
特に官能的な香りがするダナンの夜風を浴びながら、しっかり「色オヤジ」
と化して目もとを潤ませていました。
しばらくすると・・・、
うるうるとした「色オヤジ」達のもとへ、次々とVietnam Dairokuの社員達が
到着し始めました。
初顔合わせの社員達に自己紹介をしてもらった後は・・、
お決まりの、「モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」の嵐!
入社おめでとう!「モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」
ホー社長に!「モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」
ダイク社長に!「モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」
更に!「成績優秀者は、毎年2名!日本ツアーのご褒美じゃ!」
「がんばれよ! モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」
「がんばるぞ! モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」
何でもないけど、「モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」
ほりゃ!食え!そりゃ飲め!「モー、ハイ、バー、ヨー(乾杯)!」
このところ、ダイク村の合弁相手とのすったもんだで、
「いい加減にしろ縲怐I」
「この寄生虫どもめ縲怐I!」
「お前なんか首じゃ縲怐I!!」
の連続でイライラが極まり、かなり消耗し尽くしていたダイク村村長さんも
この日は絶好調!
Vietnam Dairokuの若い女性社員達をつかまえて、
「ダイク村に、何かレクリエーション施設を作ろうかと思うんだ!」
「昼休みとかに自由に使える施設を作るとしたらどう思う!?」
「今日は、みんなに意見を聞きたい!」
「あなた達だったら何を希望しますか?」
「卓球台?バドミントン?それともテニスコート?」
もっとも元気のいい男子社員が威勢良く、
「テニスコート!!」とか言い出すと、
「野郎には聞いてないんだよ!」
「大体、ダイク村の住人は圧倒的に女性ばかりなんだから!」
「女性の意見が聞きたいんだよ!!!」
などと言って、Vietnam Dairokuの若い女性社員達をまわりに侍らせながら、
かなりハイテンションになっています。
「今日は、酒代は全部俺が持つからね!」
「おりゃ!ビールじゃ、ワインじゃ!」
「ほりゃ!飲め!ほりゃ!食え!」
「ナニッ!おまえ、俺にイッキで挑戦するのか!?」
などと、極めて上機嫌でした。
ひとしきり井上さんの料理が出終わった後は・・・、
バイクの後ろにまたがって、昨年の10月より着用を義務づけられたヘルメット
を被って二次会のカラオケボックスへなだれ込むことに・・・。
日本人相手の日本語カラオケがある店を社員達が知るはずもなく・・、
連れて行かれたのは、ベトナム語と英語と中国語の歌しかないお店でした。
ベトナムのカラオケボックスは、
「これ以上の音は出せないぜ!」と思われる程、鼓膜に刺激的な大音量!!
ソファーの前には、「さ縲怩ウ!全員でも踊り狂えまっせ!」と思える程の広い
スペースがあるのが特徴です。
次々と曲を入れ、大音量の中、踊りまくる若い社員達にすっかり圧倒された
色オヤジ二人組は・・、
「う゛縲恣ェが痛い!」
「ホー社長・・。 ゼイゼイ・・。」
「いつも・・。」
「こんなのにつきあっていらっしゃるんですか・・・? ゼイゼイ・・。」
「う゛縲怐E・。 ゼイゼイ・・。」
「今回で・・、二度目ですが、前回も・・、こんなもんでした・・。」
「トニーベネットの・・・、」
「思い出のサンフランシスコが終わったら、我々は引き上げますか・・。」
「引き上げますか・・。」
「明日も早いですから・・。」
ユンとカーンに、
「俺達は、もうそろそろ退散するよ・・。」
と告げてポケットからベトナムドンの札束を渡し、
私とダイク村村長は、タクシーを拾いに店の外へと脱出したのでした。
翌朝早く・・・、
ダナン空港を発つ私を、ユンが見送りに来てくれました。
「社長・・。ホーチミンの空港で食べてください。」
「ガック(健康によいと言われる果物)の赤いまぜご飯です。」
朝早いため、朝食にありつけなかった私は、
「おおぉ、ありがとう!」
「夕べはみんな結構遅かったんじゃないかい?」
「わざわざ作ってきてくれたのかい?」
日本では、ここ十数年の間、手作り弁当というものにありついたことがなか
った私としては、夜遅くまで遊んだ後、しっかり早起きして弁当を作ってく
れるという社員の気持ちがとてもうれしく、ちょっと感激!でした!!!
味付けは、かなりしょっぱいものでしたが・・。
(Mr.ホー)